Hiroco の Ano ne

イタリア特別演奏旅行 – 総勢88名

2019年09月18日
久しぶりの投稿です。
8月にイタリア特別演奏旅行~三重混声合唱団・馬場浩子と仲間たち~総勢88名無事に行ってきました。
あんだぁれからも多数参加。その様子をかいつまんでご紹介したいと思います。

🎶ローマ滞在記~ヴァチカン・アッシジでの演奏を終えて🎶

2019年8月23~30日まで88名がローマに滞在した。
かなり強行なスケジュールにも関わらず、全員無事に歌いきり、帰国できたことをまずは安堵。
合唱団員は68名。あとの18名は家族等の応援隊。そして我らがピアニスト秀平雄二君と馬場。
23日に第一班が香港経由で出発。24日朝ローマに到着。その足でティボリ観光。照りつける太陽の中、「ヴィッラ・デステ」「ヴィッラ・アドリアーナ」を見学。歴史を感じる遺跡や見事な噴水に感動しながらも、とにかく歩く、歩く、足が棒のようになり、階段の多さにヘトヘトになる。夕方ホテルに入り、やっと落ち着く。
25日は午前中ローマ市内を観光。コロッセオ、トレヴィの泉、スペイン広場等名所の数々。美味しいジェラートに暑さも和らぐ。午後は聖ホセマリア・エスクリバー聖堂での4時間に及ぶRH。3カ所での違ったプログラムを予定していたので、とにかく集中力、体力が求められる。24日夜遅く到着した第二班(ヘルシンキ経由)メンバーは相当厳しいスケジュールだったと思う。
RHではサン・ピエトロ大聖堂オルガニストのFabio氏ともあわせを行った。非常にフレンドリーで高田三郎の典礼聖歌を用意した私たちに、日本語が判らないと仰りながら、3回ほどあわせると、詩篇の部分もあうようになってきた。「いい作品ですね、僕は好きです」と言っていただき、高田作品を選んで良かったと改めて思った。この日はちょっとしたアクシデントも。やはりお水があわないのか腹痛をおこす人続出。食中毒?!と心配したが、原因はホテルの野菜ジュースと判明。水道水で薄めているとのこと…それ以後みんなお水には気を配るようになった。
26日午前は真実の口やパンテオン等観光。但し、Marimoメンバーの半分は自粛して夜の献唱に備える。午後はMarimo全員観光予定をキャンセル、ホテルの一室を借りて最後の猛練習に励む。この練習は大変有意義だった。夜にはヴァチカン、システィーナ礼拝堂での奉納演奏。私たち一行とシスティーナの関係者のみだけの特別な時間となった。礼拝堂に行くまでの美術館の廻廊をゆっくりゆっくり鑑賞しながら歩ける特権は1日20000人も入場するというごった返したなかで観る空気とは全く違う(43年前はごった返しのなか観て歩いた)溜息の出る素晴らしい絵画や装飾に見守られながら、本来この建物が持つ荘厳な空気や気品溢れる佇まいを肌で感じながら、礼拝堂へと進んだ。礼拝堂への重い扉を通り抜けると、そこは更に異空間というべき荘厳で圧倒的な場所だった。ミケランジェロの最後の審判が静かに私たちを迎えてくれた。簡単な説明をしてくださるあいだも眼は釘付けになり、誰も口を開くことができない。心の平安と祈りだけが湧き出てくる。全員でアルカデルトのアヴェマリアを唱い、そのあとMarimo-Sで5曲献唱。やはりパレストリーナやヴィクトリアの作品は、特別な響きがする。天から降り注いでくる自分たちの声を聴きながら、信仰はひとりひとりの心の中にあることを実感した。奇しくもこの日M.コチャールの作品も献唱したが、翌々日に天に召されたことをあとから知った。
27日は朝から2台のバスに別れてアッシジへ向かう。お昼には到着して街並みを見学したが、いたるところに私たちのポスターが貼られており、テンション上がる。けど、とにかく暑い!坂道だらけのアッシジは美しい風景とは裏腹に容赦なく私たちの体力を消耗させる。
また、今回アッシジではサン・フランチェスコ大聖堂の聖歌隊とも共演することになっている。RHは19:00から20:30まで。本番21:00から、これもハードなタイムテーブル。
聖歌隊の指揮者はPadre(神父様)だったけど、とにかく熱い指揮!RHで聖歌隊の演奏を聴いたとき、私の中で、何かがポロっと腑に落ちた。神の前で演奏するということは、こういうことなのだと…。何を取り繕うわけでもなく、どこまでも人間臭く、罪深い私たち自身をさらけ出すことこそが、一番清らかな捧げなのだと思った。本番直前にメンバーにはそのことを告げた…メンバーはRHとは全く違う真の声で演奏してくれた。最後に聖歌隊と共演したナブッコ「Va’pensiero」が終わって、数秒間の静寂のあと沸き起こった割れるような拍手と、振り返った時に総立ちになって拍手喝采をしてくださる満場の方々の表情をみて、涙が溢れた。実はナブッコの前に、「群青」を演奏して、その時にも随分涙腺が緩み、メンバーの中には泣きながら歌っている人も多かった。アッシジも大地震によって街中が大打撃を受けた場所。いまも壁のあちらこちらに修復のための太い楔がいくつも見受けられる。「群青」の前には日本での3.11のお話もさせていただき、演奏した。
言葉が判らなくても、想いは通じることを改めて肌で感じた。
余韻覚めやらぬまま帰路のバスに乗り込んだのは23:00頃。ローマには深夜1:30頃帰ったが、みな満足そうな顔で部屋に戻っていった。疲れはピークだったけど、心は満ち足りていた。28日はサン・ピエトロ大聖堂主祭壇での夕方のミサに聖歌隊として参列。
相変わらず大聖堂に入るための行列は凄い。ミサは夕方17:00から始まるが16:00ころには聖堂内に入り、スタンバイ。2日前にオルガニストのFabio氏とはあわせをすませていたので、典礼聖歌そのものは余り心配なかったが、当初聞いていた並びや立ち位置、曲の寸法などがかなり変わり、メンバーも緊張と共に、主祭壇の圧倒的な存在感、スケールの大きさに押しつぶされそうになる。またアレルヤ唱等はサン・ピエトロ大聖堂の聖歌隊(男性のみ)が唱えたが、私は彼らの真横で唱えるのを聴くことができた。
司祭様の入場や朗読の合間のタイミングを計りながら、入祭の儀、感謝の典礼、聖体拝領、閉祭の儀の4つのシーンで唱った。聖体拝領ではかなりの信者様が並ばれ、結局私たちは3番までの典礼聖歌を2回繰り返し、更に三回目の途中までを唱うことになった。それは全てオルガニストFabio氏が演奏しながら、私にアイコンタクトを送られ、メンバーに指示していくという、まさにぶっつけ本番、なにがどうなっても粛々とミサの進行を妨げてはならず、また臨機応変な対応が求められる。カペルマイスターからは私たち合唱団を迎え入れて下さった瞬間に「僕はあなたたちの佇まいを一目見たら、どういう合唱団なのか判ります。今日のミサは善いミサになります」と神のような励ましをいただき、安心して身を委ねられたような気がする。
ミサのあいだも常に私の側にいてくださり、眼でいろんな指示をくださった。温かく、愛情溢れる眼差しは生涯忘れない。更に今回、歌手(カウンターテナー&バリトン)として同行してくださった奥村泰典氏には言葉では表せない感謝の気持ちでいっぱいである。宗教音楽を専門に学ばれ、ご自身もカトリック信者であられるので、私が戸惑うことも全て信頼してお任せできた。メンバーも奥村氏への信頼が厚く、このプロジェクトのあいだに深い友情が熟まれたことは特筆すべきことだと思っている。17:00から執りおこなわれた主祭壇でのミサも滞りなく終わり、ローマ最後の夜は、全員で愉しく、賑やかに、まさに歌い!飲み!食べ!喋る!踊る!最高の打ち上げ食事会となった。

今回はまさに巡礼演奏旅行とも言える聖地での演奏が叶ったことに、みな大変充実感を味わい、感動的でもあった。
日本に居ては到底味わえない異国の良さ、日本との違いを肌で感じとることができたことは、何よりの財産になった。
今回はあんだぁれ70、津女声合唱団、四日市第九、そしてMarimo座と門下生ユニットMarimo-S(マリモエッセ)と、全て私と何らかの関わりがある方ばかりが参加してくれた。そして現地では様々な出会いがあり、絆が生まれた。
目に見えない固い友情も短い期間の中にしっかり芽生え、音楽を通して心通いあえた瞬間が私たちを幸せにしてくれた。
関わった全ての人たちに感謝💕Grazie mille!!























-Hiroco の Ano ne

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